ざけんなよ、て思うあずまやもある

 前稿で「公園酒に相応しい設備」について私見を述べさせていただきました。まったく未知の遠隔地を目指す場合、時間的制約もあるのでどうしてもネットでの事前調査が必要になります。それでもいざ現地に行ってみると「なんじゃこりゃ」と落胆することもあるわけで。


 某月某日、千葉県茂原市ことこりん星跡地へ遠征した。特段かの地に思い入れがあるわけでもなく(以前一度茂原駅周辺を散策したがスーパーの類が全然ないのに辟易した)単に当日JRの「休日おでかけパス」を持っていたので出来るだけモトをとれる地まで行こうと思った次第。で、未知の地ゆえ“あずまやのある公園”情報を事前に調べたところ、その名も茂原公園にある模様。ではということで行って参ったのである。

 



 折しも公園改修中で、池(一応「弁天湖」というらしいが、こりゃ池だよ)の水がすっかり抜かれておりなんとも興醒め。

 案内板によれば、目指すあずまやは公園のいちばん奥まったところにあるようだ。水の抜かれた池の端をずんずん歩く。それらしきものが見えてきた。ん? なんかちょっと変な感じがするぞ…“あずまや”の全貌を目にした私、怒りMax。なんだよこれ。

 



 あずまやは飲食をするためだけの場所ではないのはわかっている。だけどこの形状で、一体どれだけの人が快適に時を過ごせるというのか。

 


 

 本件を寄進したのは地元のロータリークラブだそうな。みんなのためになってねーぞ。

 不幸中の幸い、すぐお隣にちょっと年季の入った野外卓があった。こちらを使わせていただく。

 


 


梅一輪 上撰カップ

若鶏の梅しそ竜田揚げ

握り寿司 白波(694円+税)





 酒とつまみを購入したのはショッピングセンター「アスモ」内のスーパー・フードプラザハヤシ。茂原公園からの直線距離は近いのだが実際に歩くとそれなりにかかる。こちら正直お酒の品揃えはいまいち。酒だけ買うなら道向かいの「やまや」がいいだろう。千葉酒の3デシ壜を結構地味な蔵元のものまで揃えている。それかアスモ内のテナント酒屋がよろしいかと。

  ネットの口コミによると「ハヤシ」の握り寿司が評判いいのでちょっと気になっていたところ、いまやスーパーのパック寿司界において絶滅危惧種になりつつある“サビ入り”が売られていたのでつい手を出した。




 公園までの運搬が下手過ぎて軍艦巻きのとびっ子がよそのネタの上に侵食してしもた。それはともかく、別段高級なネタは無かったけれどちゃんと美味しい寿司だった。シャリの炊き方がいいのだろう。巻き寿司もそうだけど、結局はご飯に尽きるということだ。

 帰り道、改めて水の抜かれた池の上にかかる橋を観察すると、欄干の親柱に日本酒の銘柄が。

 


 稲花正宗。これは今もあるね。上述「アスモ」のテナント酒屋さんに並んでいるのが見えた。



 「正元」。ほう、この日飲んだ「梅一輪」の先祖にあたる銘柄か。

 


 これがわからない。上の字は「總」だろうけど下の字が読めない。昔古本屋で買った昭和後期の醸造家名鑑を参照すれば判明すると思うのだが、押し入れの奥底にしまわれてしまい探し出すのは1日仕事になりそうなので諦めます。

 茂原駅までの帰りは往路と違う道を歩いてみた。そしたらありゃ、あずまやを発見。

 


 豊田川(愛称:天の川)の畔に縁台タイプの清潔なやつが。ここで過ごすのはさぞ気分良かろうが、惜しむらくは近くに食料を調達できるスポットが無いのと、場所柄手洗い場が無い(これ結構不便)こと。

 当初目的のあずまやには不満タラタラだが、それ以外は楽しい発見の多い旅でした。

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